青藍工房 藍染日傘 臈纈染
※手染めのため、商品に写真のような滲みや木部への藍の染み込みがございます。Nihon Miyabi浅草本店に展示がございますので、実物もご覧いただけます。
日用品ではござますが、美術的価値の高い日傘となります。
青藍工房（Seiran Kobo）について
青藍工房は、藍の名産地・徳島で1971年に橋本陽子氏によって創業された藍染工房です。自宅の庭から始まった小さな工房は、50年以上の時を経て、日本のみならず世界からも注目される染色ブランドへと成長しました。
青藍工房が手がけるのは、伝統的な「藍のろうけつ染め」。天然藍「阿波藍」を用い、ろうの防染と筆の繊細な技法により生み出される濃淡は、まるで絵画のような美しさを湛えています。伝統技術を守りつつ、現代的な感性と融合させたその作品は、時代を超えて愛され続けています。
2022年には、フランスの名門公募展「ル・サロン」に入選。創業者の橋本陽子氏に続き、娘の浮川初子氏（現代表/ジャストシステムの創業者）と橋本清子氏も入選を果たし、三世代にわたる受賞が国内外で話題となりました。
また、2023年にはルーブル美術館付属会場で開催された「文化遺産国際展」に出展し、世界最大級のテキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン・パリ」でも日本から選出された20社の一つとして高い評価を獲得。書と藍の融合による革新的な作品づくりにも取り組んでおり、デジタル技術と伝統工芸の新たな可能性を切り開いています。
国内では銀座や徳島を拠点に展覧会を定期的に開催し、工房の活動は蓼科・東京・宮古島などにも広がっています。日本の伝統美を現代に生かし、次世代へと繋げる青藍工房の作品を、どうぞご覧ください。
阿波藍の歴史
平安時代、徳島の山岳地帯で阿波忌部氏が織った荒妙（あらたえ）という布を染めるために藍の栽培が始まったと伝えられています。
県内を東西に流れる清流「吉野川」は、台風のたびに洪水を繰り返す暴れ川でした。しかしその氾濫により運ばれた肥沃な土壌を生かし、台風が来る前に収穫が可能な藍の生産が盛んになりました。藍は防虫効果や殺菌性などの効用が高いため、江戸時代には農民の衣服も藍で染めることが増え、需要が高まりました。1875年に来日したイギリスの化学者アトキンソンが阿波藍の濃いブルーを「ジャパン・ブルー」と名付けました。
小泉八雲も「日本は神秘なブルーに満ちた国」と称し、ジャパン・ブルーは世界的に拡がって行きました。2019年5月には「藍のふるさと 阿波～日本中を染め上げた至高の青を訪ねて～」が文化庁の日本遺産に認定されました。
青藍工房のPR動画
藍のろうけつ染め ― 青藍工房の染色技法
青藍工房が手がける「藍のろうけつ染め」は、日本の伝統的な藍染と、ろうけつ染め（蝋防染）の技法を融合させた、非常に繊細で表情豊かな染色技法です。
まず、模様を描きたい箇所に“溶かした蝋（ろう）”を筆で置いていきます。蝋が布の染色を防ぐ役割を果たすことで、その部分には藍が染まらず、白く抜ける模様が生まれます。その後、阿波藍と呼ばれる徳島の天然藍で丁寧に染色し、蝋を落とすと、藍の濃淡と筆の動きが美しく浮かび上がります。
ろうの置き方、筆の勢い、藍の染まり方によって生まれる“にじみ”や“かすれ”は、すべてが偶然と計算の調和によるもの。まるで絵画のような仕上がりは、一点ごとに異なる表情を持ち、同じものは二つとありません。
この技法には、高度な温度管理やタイミング、職人の熟練の手仕事が求められます。青藍工房では、その技術を50年以上にわたって磨き続け、現代の暮らしにも寄り添う藍染の可能性を追求しています。
臈纈（ろうけつ）染め
| サイズ | φ800 × 長さ720(mm) |
| 材質 |
麻100%・天然木・スチール |
| 仕様 |
藍染（ろうけつ染め）/ 撥水加工済み |
| メーカー | 青藍工房 |
