京焼・清水焼の特徴と違い|歴史や作家も徹底解説
|
|
華やかで美しい陶磁器をみると、何となく京焼や清水焼かな?と思っても、ずばりどちらなのか分からない方も多いと思います。
この記事では、京焼、清水焼の特徴や歴史を紐解いて、解説していきたいと思います。
清水焼(きよみずやき)とは、清水寺に向かう五条坂周辺で焼かれていた陶磁器が始まりと言われています。
京都府京都市東山区五条橋東にある、若宮八幡宮の前に「清水焼発祥之地五条坂」の記念碑が建立されています。
起源は江戸時代初期の1600年前後だと考えられており、もともとは日常雑器の生産が盛んでした。1820年頃に磁器生産が始まり、高級化していきました。
・ポイント:清水焼の起源は五条坂周辺で作られていた焼き物。
京焼は、安土桃山時代から茶の湯が盛んになったことで、茶道具などが作られ、焼き物が盛んになりました。江戸時代初期になると、東山山麓周辺で作られている焼き物を指すようになりました。
元々は、京都市内に清水焼、粟田口焼、八坂焼、音羽焼、御菩薩池焼、修学院焼、清閑寺焼など、多数の窯があり、総称して京焼と言われていました。
現在では、清水焼以外が衰退してしまったため、京焼=清水焼となっています。
・ポイント:京焼は京都市内の複数の焼き物の総称。現在は清水焼と同義。
京焼・清水焼は、土や技法、染付の手法の幅が広く、特定のルールはありません。
京都には多数の窯元があった為、その技法やデザインは陶工によって独自のものがあり、多様性に富んでいます。
また、公家や茶人から受注して生産することもあった為、それぞれの個性が出やすかったという背景もあったと思われます。
1. 土もみ
土の中から空気を押し出して、全体を均一にする作業です。
2. 成型
成型方法には、ろくろ成型、ひねり成型、鋳込成型があります。
ろくろ成型は、回転する円盤に土もみ後の土をのせ、水を付けながら遠心力を使って成型を行う手法です。
3. 乾燥と削り
半日から1日程乾かし、生乾きになったら、金属製のへらや、竹べらなどを使って削りだし全体を仕上げます。
4. 素焼き
素焼きは、600度~800度の低温で焼く過程で、これを行うことで、絵つけや施釉ができるようになります。
5. 下絵付
あお色の呉須(ごす)や、酸化鉄などの無機顔料を用いて絵つけを行います。
※下絵付けとは?:釉薬の下に絵があるので、下絵付けと呼ばれます。
6. 施釉(せゆう)
釉薬をかけることで、焼き物に透明感を出したり、発色させたりすることができます。
※釉薬(ゆうやく)とは?:釉薬とは陶磁器の表面に付着したガラスの層のことです。
7. 本焼
1,200度〜1,300度の高温で焼き、素地や釉薬に含まれる物質を変化させます。
8. 上絵付
金、銀、銅などの酸化物を使い、豪華な絵付けを行います。
9. 上絵焼成
約700〜900度の低温で上絵を焼付けます。
京焼・清水焼の著名な作家である、仁清と乾山をご紹介します。
本名は清右衛門。出身は丹波国野々村と言われています。
1647年頃に仁和寺(1994年に世界遺産登録)の門前に窯を開き、茶人、金森宗和のもとで茶道具を作成していました。
名前は、仁和寺の「仁」を、本名の清右衛門の「清」をそれぞれとって、「仁清」と名乗っていまました。
仁清はろくろの技術が特に優れていたと言われています。仁和寺を中心として、身分ある人の要望に応じて数多くの作品を残し、その中には、丸亀藩・京極家伝来の国宝『色絵藤花文茶壺』や、重要文化財『色絵輪宝羯磨文香炉』などがあります。
尾形乾山は1663年、京都有数の呉服商・雁金屋の三男として生まれます。兄は画家の尾形光琳。
1689年、27歳で御室仁和寺に近い双岡付近に習静堂を建てて隠棲しますが、1699年に鳴滝泉谷に窯を開きます。晩年は江戸の入谷にて開窯し作陶をし、1743年に亡くなります。
作品には、重要文化財『色絵竜田川文透彫反鉢』、『銹藍金絵絵替皿』、『銹絵観鴎図角皿』(兄・尾形光琳との合作)などが残っています。
体験コースは「絵付けコース」「手びねりコース」「ロクロコース」の3種類があり、時間も20分から30分程度と、サクッと楽しめそうです。
作品は1か月前後で届けてくれます。
京焼・清水焼体験をしたいけど、京都までは行けない方にオススメの工房をご紹介します。
コトブキ陶春さんでは、リモート絵付け体験サービスをされています。
ネットで申し込み後、体験キットが送られてきます。絵付けをオンラインで教えてもらって、作品を送った後、4週間ほどで窯焼きの作品が手元に届くようです。
全国で初めて電気窯を取り入れた工房で、商品購入者へのサービスとして工房見学をされています。
こちらの工房の住所は「清水焼団地町」となっており、本場感がすごいです。
波佐見焼(はさみ焼)の特徴と歴史|くらわんか碗、コンプラ瓶も解説
波佐見焼の食器は、その丈夫さや使いやすさから、全国の小学校や病院でも使われています。今やマグカップが人気ですが、江戸時代の海外貿易にも大きく寄与したコンプラ瓶や、…